2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者に対する経皮的冠動脈形成術および冠動脈バイパス手術の治療成績・予後調査
Project/Area Number |
16615002
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 剛 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80359786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (60359833)
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Keywords | 冠動脈疾患 / 経皮的冠動脈形成術 / 冠動脈バイパス術 / 糖尿病 / 予後 |
Research Abstract |
平成17年度には、初回血行再建術(PCIまたはCABG)を施行した冠動脈疾患症例の長期成績・予後を調査するレジストリーへの参加31施設における2000年から2002年の症例登録、および、各症例の血行再建術施行時の基本データと追跡可能な期間(平均約3年間)までの追跡調査を予定の過半数の症例で終了した。 これに基づき、現在までに追跡調査を行った約6,000例の初回血行再建術施行症例に関して、冠血行再建術の方法(PCI対CABG)ごとの長期成績・予後の比較や予後規定因子に関する解析を行った。まず総死亡であるが、PCI群とCABG群とで交絡因子を考慮せずに生存率を比較すると両群に差が無かったが、腎機能障害、年齢、貧血の合併、心不全の合併など、予後を左右する種々の因子を含めて多変量解析を行うと、CABGによる冠血行再建術の施行は予後改善要因となった。今回の解析では、さらに、心筋梗塞発症、脳血管障害発症、CABG施行のための入院、PCI施行のための入院を、それぞれ評価項目とした場合のイベント回避生存曲線を作成しPCI群とCABG群間で比較した。また、CABGの効果は、75歳を超える高齢者で明らかであった。しかしながら、患者の年齢は冠血行再建法の選択に大きく影響する要因でもあり、高齢者では他の合併症がCABGを避ける根拠になりやすいと考えられるなど、年齢と治療成績の関係に関しては、最終的な全症例でのより詳細な検討が必要と思われる。現在までの登録症例で見ると、糖尿病合併例は全体の30%弱に達しており、最終的な解析時においては、糖尿病の有無によりサブグループ化した解析を行えるだけの症例数に達するものと思われる。
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