2004 Fiscal Year Annual Research Report
簡易インスリン抵抗性評価法の構築による動脈硬化症の発症進展予知の確立
Project/Area Number |
16615005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
絵本 正憲 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90275248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 哲雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40271192)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / グルコースクランプ法 / 人工膵臓 / 内膜中膜複合体肥厚度(IMT) / Stiffness index beta / 糖尿病 |
Research Abstract |
平成16年度末現在、本研究課題の実績概要は以下のとおりである。 (1)簡易インスリン抵抗性評価法の構築について 本年度末時点で、インスリン抵抗性指数のゴールドスタンダードである正常血糖高インスリンクランプ法を328例施行し、インスリン抵抗性指数(Clamp IR)を測定し、各症例の基本情報及び血液検査情報を集積した。解析可能対象症例内訳は、耐糖能正常40例、境界型耐糖能9例、2型糖尿病251例の計300例において、既報の簡易インスリン抵抗性指数であるHOMA-IR、各種身体情報の諸因子を用いてClamp IRの推定式構築を重回帰モデルにより解析を行なった。その結果、ClampIRに独立した説明変数として、HOMA-IR(β=0.506)、BMI(β=-0.185)、1/Cre(β=0.141)、男性(β=0.135)、HDL(β=0.116)、FFA(β=-0.099)が抽出され、これらの因子によりモデルの寄与率は0.496(P<0.0001)であった。 さらに、インスリン抵抗性の血液パラメータの新規指標としての可能性が指摘されているインスリン受容体チロシンキナーゼ活性阻害する糖タンパクであるfetuin-Aを2型糖尿病82例においてELISA法により測定し、ClampIRとの関連性について解析をおこなった。血中fetuin-A濃度とClampIRとは、有意な関連性をみとめなかった(r=-0.138,p=0.218)。今後、さらに症例集積の上解析する予定である。 (2)動脈硬化症の発症進展予知について 平成16年度末現在、動脈硬化症(IMT、stiffness index beta)の評価を終えた症例は、136症例(内、インスリンクランプ法施行30症例)であり、次年度も引き続き症例集積していく予定である。
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