2004 Fiscal Year Annual Research Report
p38MAPキナーゼを標的としたアレルギー性疾患の成因分子機構の解明
Project/Area Number |
16616002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
粕谷 善俊 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (70221877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 龍彦 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (30260227)
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Keywords | p38MAPキナーゼ / アレルギー / 成因分子機構 |
Research Abstract |
現在、以下の2つの研究テーマに沿って研究を進めている。 1)アレルギー性皮膚疾患の新たな分子発症機構の解明を目指し、p38MAPキナーゼ(p38)とFK506結合蛋白との直接的な分子間相互作用によるp38活性調節機構の有無を検討している。 大腸菌にて発現・調製したp38とFKBPの融合蛋白を試験管内の生理的液性条件下で反応させ、プルダウン法にてp38とFKBPの結合能の有無を、両者の結合がp38の活性化状態に依存するかを、通常のp38とp38の活性型フォーム(p38を常時活性型MKK6(p38の細胞シグナルの上流に位置する特異的リン酸化酵素)によりリン酸化したもの)および不活性型フォーム(p38のリン酸化部位を遺伝子の点変異により構成的に不活性としたもの)を用いて比較検討している。同時に、発現系哺乳類細胞にそれぞれ異なるタグ標識したp38とFKBPを導入・発現させ、細胞を溶解後、それぞれの抗タグ抗体で免疫沈降し互いに共沈されてくることを検討している。この際、常時活性型MKK6の共発現で活性化状態のp38を、p38不活性型フォーム遺伝子の発現により不活性化状態のp38をそれぞれ演出し、それらp38とのFKBPの結合依存性を検討し、試験管内結合解析結果との整合性を検討している。現時点では、ポジティブな結果は得られておらず、実験条件、特に、FK506の存在下・非存在下の影響を含めて再検討している。 2)アレルギー性肺疾患の分子発症機構の解明を目的として、p38-d.n. (p38の活性阻害を促す変異体遺伝子:p38自身を点変異により常時不活性型としたものにタグを付加しヒト・サーファクタント蛋白(SP)-Cプロモーターの下流に配したトランスジーンを作製・受精卵に導入し、肺胞特異的にp38不活性型遺伝子を発現したトランスジェニックマウスを得た。そこで、これを用いて、ブレオマイシン誘導性間質性肺炎の発症頻度を検討している。
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