2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代汎用量子コンピュータの実現可能性に関する研究
Project/Area Number |
16650009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中條 拓伯 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (80217736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 和貴 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90283928)
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Keywords | 量子コンピュータ / アーキテクチャ / 命令セット |
Research Abstract |
本研究は,効率的な量子アルゴリズムを模索する量子計算理論研究と,量子デバイスの実現を目的とする実験物理研究の手法の中間を補い,各研究を関連付けることを目指し,汎用的な量子コンピュータ・アーキテクチャの抽象モデルを提案することを目的とする. 本年度は,まず量子コンピュータを実現するためのデバイス技術を調査し,量子コンピュータが抱える,実現に向けてのハードルをクリアするための将来的な技術について調べた. 現時点において,量子コンピュータの基本ゲートとなる量子回路をどのように接続するかが問題となっている.すなわち,従来の電子回路を結ぶ金属線の役割を果たす量子回路間のワイアをどのように実現するかが第一の焦点である.イオン化などの化学的な手法による提案もなされているが,量子力学のその性質から光を用いた光子間の非線形相互作用を用いた方法が検討されているが,実現方法において困難な状況にあることがわかっている. そこで,我々が提案しよとする命令セットの妥当性を検証するために,汎用量子コンピュータのシミュレータの設計に着手し,PCやFPGAボードを用いてシミュレーション環境を構築し,命令セットの動作を検証する準備が整った. また,量子コンピュータの核となるプロセッサだけでなく,データの読み書きに必要なメモリ素子を提案し,その実現方法についても現在の光半導体技術の現状と将来的な見込みをもとに考察を進めている.そして,最終的な量子コンピュータチップのサブセットとなるイメージを考案し,メモリアーキテクチャ,入出力機構の基本的なコンセプトを確立し,それをまとめつつある.
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