2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロディスク:円形チップで遺伝子発現計測システムを革新する
Project/Area Number |
16650109
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 忠男 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
管 幹生 千葉大学, 工学部, 助教授 (00294281)
佐藤 哲大 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90362839)
中尾 恵 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (10362526)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / ディスク / 遺伝子発現計測 |
Research Abstract |
DNAマイクロアレイは遺伝子発現解析の基本的計測装置として広く利用されているが、測定の手間や結果の信頼性、あるいは機器の大きさや価格など、臨床的に常用する検査機器とするために解決が必要な問題点が多い。そこで本研究では、従来の矩形スライドガラスのかわりに、円盤状の「DNAマイクロディスク」を用いることによって、スポッティング、ハイブリタイゼーションから蛍光観測に至るすべての過程を高速化し、信頼性が高くかつ安価な一貫計測システムの実現を目指した。 本年度は、プロトタイプの組み合わせ実験・評価と一貫システムの設計を行った。1)プロトタイプシステムの実用可能性検証実験:前年度に作製したプロトタイプシステムを使って大腸菌ゲノムの検出実験を行い、DNAマイクロディスク実用化の可能性を検証する実験をおこなった。大腸菌ゲノム検出用のDNAマイクロディスクを試作するためにスポッター装置を用いて、ディスクを回転させながらスポッティングを行った。大腸菌ゲノム中のリボゾーマルRNAの検出を試みた。2)プロトタイプシステムの改良:プロトタイプシステムの検証実験結果に基づいて問題点を洗い出し、設計の改良を行った。またゲノム検出用DNAを光化学反応による合成法についても検討し、基板上で検出領域の分子を合成する方法について考案した。検出領域の分子としてPNAを用いることでDNAよりもハイブリダイゼーション時の分子選択性を高くできることが報告されており、DNAマイクロディスクでの検出を高感度化するのに有用であると考えられる。有機合成化学を専門とする共同研究者のチームと共同で本開発を行っており、合成経路を探索して現在合成実験中である。3)商品化、規格化の検討:プロトタイプ装置と改良版装置を検討し、アプリケーション調査の結果を踏まえて、商品化と規格化の可能性について検討した。
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Research Products
(4 results)