2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650158
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 直 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00261181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 博幸 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教授 (50308219)
矢島 忠明 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10097264)
泰羅 雅登 日本大学, 大学院総合科学研究科, 教授 (50179397)
渡邉 丈夫 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (90409756)
宮崎 真 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (30392202)
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Keywords | 中枢神経系 / 神経科学 / スポーツ科学 / 機能的MRI / トレーニング科学 / 発達と老化 |
Research Abstract |
2005年度は二つの研究的な進捗があった。一つは、Voxel Based Morphometry (VBM)をスポーツ選手に応用した研究の結果を得たこと。もう一つは、GO-NOGO課題を用いて、ソフトボール選手と一般学生の脳機能を比較した点である。 VBMは、MRIを用いて大脳皮質各部位の体積を部位ごとに比較するもので、先行研究の多くは疾患の進行に伴って変化する脳の部位を抽出することに用いている。また、疾患群と対象群との比較においても病態に係わり合いのある脳の部位を抽出することに有用である。我々の研究では、大学体育会クラブ活動のアスリート(バレーボール)と運動をしていない一般学生の脳の形態学的違いを調べた。その結果、バレーボール選手は一般学生と比べて両側楔部の灰白質が大きいことが示された。これは視空間的注意・処理、運動技能を、長期間に渡って獲得・反復することに適応して生じた構造の変化を表していると考えられた。 次に、GO-NOGO課題を用いた結果について述べる。ソフトボール選手群では非運動学生群と比較したところ、GO反応、NO-GO反応それぞれにおいて有意に活動が見られる脳部位があった。GO反応では右の後部帯状回がNO-GO反応よりも強く活動した。このことから、ソフトボール選手の対象を捉えるストラテジーが非運動群と異なっていたためと考えられる。NO-GO反応では両側の外側前頭前野がGO反応よりも強く活動し、ソフトボール群で準備していた動作に対する強い抑制が必要だった可能性が示唆された。
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