2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度航測データを基盤にした「活断層GIS」モデルの試作-糸静線を例にした強震動および断層変位量の予測と実証に向けて-
Project/Area Number |
16650228
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70222065)
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Keywords | 活断層 / 航空写真測量 / GIS / 地形学 / リモートセンシング / DEM / 地震 / 防災 |
Research Abstract |
阪神淡路大震災以降の活断層調査結果の集大成として、平成16年度末を目途に地震動予測地図および活断層データベースの構築が、地震調査研究推進本部において進められている。本研究は、その後の活断層調査研究のあり方(モデル)を地理学の立場から具体的に示すために、被害軽減に真に役立つ(1)高精度な活断層位置情報の取得法、(2)強震動予測の基礎となる累積変位量(平均変位速度)計測法、(3)地震前後の変位量の面的把握法の提案を行い、これを糸静線全域を例とした「活断層GIS」のモデルを構築することを目的とする。 このモデルは、写真測量技術により高精度に幾何補正した航空写真(オルソ写真)をベースに行い、広域データベース作成の効率化を図ることに最大の特徴がある。断層の鉛直変位量・水平変位量は写真測量システム上で行うために精度も一定水準に標準化できるため、このデータを用いた強震動予測における誤差評価を可能にする。多種の地理情報を統一的に管理できるGISの特徴を最大限活かして、(4)トレンチ調査結果、(5)地下探査結果、(6)地殻変動常時観測データ等も最終的にGIS情報として取り込むことによって、活断層データベースとして役割を果たせる。最終的にはWeb-GISによるインターネット配信実験までを行う。 平成16年度は、第一段階として、活断層GISの全体構造の試作モデルを構築し、GISレイヤーに以下のデータを整理・統合し、変動地形の概要を表現できるシステムまでを完成させた。(a)糸静線を含む広域地域の市販の地形標高データ、(b)断層に沿うオルソ航測写真、(c)航測図化システムで解析した10mDSM(Digital Surface Model)。
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