2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヨウシュヤマゴボウを用いた低濃度重金属汚染土壌の浄化と有価金属回収システムの構築
Project/Area Number |
16651036
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 嘉利 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20172455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 正樹 石川県保健環境センター, 環境放射線部, 部長(研究職)
小林 史尚 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 助手 (60293370)
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Keywords | 重金属汚染 / 環境浄化 / ヨウシュヤマゴボウ / ファイトレメディエーション / 有価金属 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
近年、鉄鋼工場跡地や原料炭集積場での重金属による土壌汚染は、比較的低濃度であるために有効な浄化方法がなく、深刻な環境汚染問題となっている。本研究では、ヨウシュヤマゴボウが低濃度重金属を吸収・蓄積する能力を利用して重金属汚染土壌を浄化した後、水蒸気爆砕と抽出操作から成る環境保全型技術を用いてヨウシュヤマゴボウ中に蓄えられた有価金属を迅速かつ高効率で分離・回収するまでの一連のシステムの開発を試みた。草本中に蓄えられた有価金属を迅速かつ高効率で分離・回収するために鉄汚染土壌で生育させたヨウシュヤマゴボウを高温高圧水蒸気を用いた爆砕法によって処理し、水とメタノール抽出および硫酸処理によって水可溶性成分(ヘミセルロース成分)、メタノール可溶性成分(低分子リグニン成分)、硫酸可溶性成分(セルロース成分)、硫酸不溶性成分(高分子リグニン成分)に分離した。次に、各抽出成分中から鉄を分離・回収し、有価金属量を測定した結果、ヨウシュヤマゴボウの葉と茎の部分では主に水可溶成分、根の部分では主に水可溶成分と硫酸不溶性成分の中に鉄が含まれることがわかった。また、鉄をほとんど含まないメタノール可溶性成分は比較的均一性に富み、多量のフェノール性水酸基を含有する天然ポリマーなので、メタノール可溶性成分を原料として環境ホルモン作用を持たないエポキシ樹脂の合成を行った。さらに、鉄をほとんど含まない硫酸可溶性成分は主成分がグルコースであるので、酵母や乳酸菌を用いて迅速かつ高効率でアルコール、メタンや乳酸に変換する研究を現在遂行中である。
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Research Products
(4 results)