2005 Fiscal Year Annual Research Report
高校生の口頭能力に関する基礎的研究-高校生の口頭能力試験開発に向けて-
Project/Area Number |
16652041
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
山根 智恵 山陽学園大学, コミュニケーション学部, 助教授 (60269983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 愛 山陽学園大学, コミュニケーション学部, 講師 (90368746)
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Keywords | 高校生 / 口頭能力 / 談話 / 文化 / 言語習得 / ディベート / OPI / 日本語学習者 |
Research Abstract |
昨年度の予備調査の結果をもとに項目を選定し、以下の調査を行った(日本人高校生128名、オーストラリア人高校生{在豪55名、留学生8名}、韓国人高校生{韓国在住60名、日本在住4名})。 1.「日本らしさ」「日本文化らしさ」「日本文化学習希望項目」とは何か。 2.日本文化理解と日本語学習促進、パーソナリティと日本文化との関係について。 また、文化の相違を非言語行動に探り、特に韓国在住の高校生と日本人高校生の一部を分析した。結果を1.に関しては(1)〜(4)に分けて、その他はまとめて報告する。 (1)日本人の場合 予備調査の結果同様、伝統的でかつ具体的なものを挙げる傾向がうかがえた。「日本らしさ」に関しては、1位、2位ともに着物が多数を占め、総合でも着物がトップを占めた。以下、総合では、ごはん、茶道、歌舞伎、畳、桜、寺・神社と続いた。「日本文化らしさ」になるとさらにこの傾向は強まり、総合では茶道、歌舞伎、着物、相撲、祭り、伝統文化、寺・神社の順であった。「学習希望項目」でも、茶道、伝統文化、着物が上位3位を占めた。文化を古典・歴史の中で学ぶよう学習指導要領に示されているため、このような傾向が見られるのではないかと思われる。 (2)オーストラリア人(在豪)の場合 「日本文化らしさ」では、伝統文化的なものの割合が高いが、「日本らしさ」「学習希望項目」としては、アニメ・漫画、科学技術、習慣、寿司・食べ物など、様々な項目が選択されており、多様な見方をしていることがうかがえた。 (3)韓国人(在韓国)の場合 「日本らしさ」「日本文化らしさ」とも、1位のトップは着物が多数を占めるが、総合的にはアニメ・漫画が多いことが特徴である。学習したい項目の1位は日本語であるが、「礼儀正しさ」を挙げる生徒も多く見られる。 (4)オーストラリア人留学生・日本在住韓国人 共通に挙げられているものとして「学習希望項目」の日本語、伝統文化、「日本文化らしさ」の祭りがある。オーストラリア人が「日本らしさ」に食べ物、人混みを、韓国人がアニメ・漫画を挙げている点が相違点と言える。 2.に関しては、日本語の学習が日本文化への興味を増す要因になっていること、特にオーストラリアの留学生は、留学することによって日本文化をより理解し、日本語学習を楽しいと感じていることがうかがえた。また、日本人の「はっきり意見を言わない」傾向は高校生にも見られたため、異文化理解項目として認識し、指導する必要があると感じられた。 非言語行動に関しては、(1)韓国人の方が話し手と聞き手の距離を近づけて話す傾向にあること、(2)日本人のほうが相づち(首振り)の頻度が高いことが観察された。
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Research Products
(2 results)