2004 Fiscal Year Annual Research Report
対馬における「国境」観の変遷と利用戦略に関する調査研究
Project/Area Number |
16652063
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 和弘 愛媛大学, 留学生センター, 講師 (40363262)
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Keywords | 対馬 / 国際交流 / 日韓関係 |
Research Abstract |
まず、基礎資料として、対馬を主対象とする各種学術論文、学術調査報告書の閲覧及び収集を行なった。次に、交通路の変遷を中心に、合併前の旧町村史および広報誌、海運会社社史等の収集・閲覧を行なった。これらにより、海上交通路の変遷は大枠で明らかになったが、不明な部分も多く、継続して資料の収集及び調査を続ける予定である。また、『しま』(日本離島振興センター)等、離島振興法およびその展開に関する資料も収集を進めている。 次に、昭和20年代〜30年代を中心に、日韓関係の変動に留意しつつ、対馬に関する新聞記事の閲覧を行ない、記事の内容、掲載頻度を調査した。これは全国紙、地方紙、および全国紙地方版の3つについて行なっており、現在も継続中である。 以上の作業と平行し、2004年8月、11月、翌2005年3月の3回に渡り、対馬市にて聞き取り調査および参与観察調査を行なった。聞き取り調査は大きく2つの目的を持って行なった。ひとつは、交通/交流の変遷を軸に、戦後の対馬における生活の変遷を明らかにすることであり、現在は旧厳原町を中心に行なっている。ここで得られたデータは文献資料と照合しつつ、地域の全体像を明らかにする作業を進めている。もう一つは、毎年開催されている、通称「対馬アリラン祭」および関連行事に関する聞き取りであり、こちらは参与観察を交えながら、参加者へのインタビューおよび「朝鮮通信使行列振興会」責任者へのインタビュー等を行なった。 なお、以上から得られた成果の一部は、韓国日本語文学会にて発表を行なった。
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