2005 Fiscal Year Annual Research Report
対馬における「国境」観の変遷と利用戦略に関する調査研究
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16652063
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 和弘 愛媛大学, 教育学生支援機構(留学生センター), 講師 (40363262)
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Keywords | 対馬 / 国際交流 / 日韓関係 |
Research Abstract |
2005年5月、8月、そして12月の3回にわたり、対馬市にて聞き取り及び参与観察調査を行なった。主要目的は2つある。1つ目は、交通/交流の変遷を軸に、戦後対馬における生活文化の変遷を明らかにすることである。このため、昭和40年代まで島内の各集落を結んでいた「渡海船」元乗組員や朝鮮半島からの引揚者などへの聞き取り調査を行なうとともに、関連資料の収集を行なった。2つ目の目的は例年8月に開催される「対馬アリラン祭」に代表される、国際交流を謳ったイベントを題材に、対馬における対外関係の変遷及び利用戦略を明らかにすることである。上記「アリラン祭」については参与観察及び関係者へのインタビューを行なったほか、2005年5月に行なわれた「日本海海戦100周年記念イベント」についても、平和的とは言いがたい素材を「国際親善イベント」に変換するための言説・装置に注目しつつ参与観察を行なった。 このほか、昨年度に引き続き、対馬に関連する学術論文・調査報告書の調査収集を行なった。また各種基礎資料、特に交通手段・ルートの変遷に関する資料の調査収集に努めた。さらに、昭和30〜40年代の新聞から、対馬に関連する内容の記事を、特に日韓関係との関連に着目しつつ調査・収集した。これらの文献資料と聞き取りデータとを照合しつつ、地域の全体像を明らかにするための作業を進めている。 なお、今年度までの成果の一部は「韓国日本学連合会 第3回国際学術大会」にて発表し、別の一部は論文として『人文学論叢』に発表した。
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Research Products
(2 results)