2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653024
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
前田 文彬 立教大学, 大学院・ビジネスデザイン研究科, 教授 (70350311)
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Keywords | 量子ファイナンス光学 / ブラック・ショールズ・モデル / ARCH / 確立微分方程式 / 量子力学 / 相対性理論 / 光速 / ブラウン運動 |
Research Abstract |
1.ファイナンス理論の中核であるブラック・ショールズの公式に代替し得る新しいファイナンス・モデルの構築を行う。古典力学を応用したブラック・ショールズの公式から導かれる金融派生商品の価格は、市場実勢値から乖離することが多く、実務上大きな問題になっている。このため、新たに量子力学の概念を応用した理論モデルを構築し、理論値と市場実勢値の乖離(アノマリ現象)という錯綜した事態の打開を図ることにした。 2.初年度は古典力学をベースとしたブラック・ショールズ・モデルの限界を明らかにすることにし、数学(確率論)及び物理学(量子力学)を利用して研究を行った。その結果、金融資産を物理量として把握した場合、確率空間における振る舞いを明確にしなければ論理的な整合性を確保できないことが判明した。さらに分析を進め、金融資産を量子化して考える場合、金融資産の存在する空間は複素ヒルベルト空間に拡張しなければならないが、この場合量子力学特有の不確定性原理をどう取り扱うかという難問を解決しなければならないことも明らかになった。 3.同時に、アノマリ現象を解明するための手法として、統計学的なアプローチ(ARCH-不均一分散を持つ時系列回帰分析)と心理学的なアプローチ(行動ファイナンス)も研究しているが、両者とも従来のモデルの欠点を修正するだけのものであり、革新的なモデルとしては物足りないことが判明した。但し、ARCHモデルにおける分散については、量子力学の波動関数の分散との関連をどう考えるかという重要なテーマが残されており、両者の分散について比較検討を行った。 4.金融資産を量子化して新たな運動方程式を組み立てる場合、株価は別として金利オプションのような経路派生型の金融商品については確率論的な手法(ブラウン運動)は不適であるとされてきた。しかし、金融資産を量子化すれば、全ての要素に量子力学的な力が働くので、汎金融商品的な手法を応用できることが明らかになった。 5.量子化の手法としては、重力と電磁気力の影響から開始し、原子核分裂を引き起こす強い力と放射性崩壊をもたらす弱い力に分解して検討することにした。また、単振り子を調和振動子として量子化する手法を踏襲し、光速度より遅いスピードである非相対論的アプローチと光速度に等しい相対論的アプローチに分けて、運動方程式を構築することにした。
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Research Products
(1 results)