2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 神戸大学, 文学部, 教授 (60031720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 雅文 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (10157266)
松嶋 隆二 神戸大学, 文学部, 教授 (80025072)
常石 秀市 神戸大学, 医学系研究科, 助教授 (10271040)
竹島 泰弘 神戸大学, 医学系研究科, 助教授 (40281141)
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Keywords | 筋ジストロフィー児 / Duchenne型筋ジストロフィー児 / 知能 / 樹木画 / 人物画 |
Research Abstract |
1.IQについてBecker型筋ジストロフィー児10名(平均年齢9.9歳)は、Duchenne型筋ジストロフィー児151名(平均年齢8.0歳)より有意に高い傾向があった(Becker91.1,Duchenne79.6)。 2.Duchenne型筋ジストロフィー児に対してWISC89名(平均10.5歳)、WPPSI39名(平均5.3歳)、新版K式23名(平均3.0歳)に対して知能、発達評価を行なった。 (1)IQ69以下の精神発達遅滞は27.2%、IQ70-89が39.7%、IQ90-109が28.5%、IQ110以上が4.6%で、89以下は約70%であった。 (2)20名の1年以上間隔をおいた(平均25ヶ月)2回の検査結果は全IQ、動作性IQ、言語性IQとも有意な差はなかった。 (3)WISC、新版K式とも動作性IQ、言語性IQの有意な差はなかった。WPPSIにおいて動作性IQ(83.1)が言語性IQ(71.6)に比べ有意に高かった。 (4)下位検査の成績はWISCでは類似、完成、算数が低く、迷路、数唱、単語が高かった。WPPSIでは理解、類似の言語性知能が低く、迷路、動物の家(分類)が高かった。 3.筋ジストロフィー児の5〜20歳の樹木画105名、人物画102名を8歳から12歳の健常児43名と比較した。筋ジストロフィー児の樹木画は健常児に比べ小さく自我の萎縮が窺える。しかし、発達指標の幹先端処理は両群に差はなかった。人物画も健常児に比べ小さく自我の萎縮が窺えるが、表情は笑顔であることが多い。しかし、10歳以上になると後ろ向きの描画や顔の輪郭のみで内部を描かないといった情緒表現回避傾向が見られるようになる。さらに四肢、特に脚部が描かれていないことが多く、身体部位に対する否定的感情の表れと考えられよう。なお、左右の四肢のバランスが悪いことが多いがこれは筋力低下を投影していると考えられる。
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Research Products
(7 results)