2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ラバールノズルプラズマ流によるホーキング輻射スペクトルの実験的検証
Project/Area Number |
16654092
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
犬竹 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023738)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90182998)
服部 邦彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90261578)
戸張 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70361128)
際本 泰士 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50018040)
阪上 雅昭 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (70202083)
|
Keywords | 磁気ラバールノズル / ホーキング輻射 / 超音速プラズマ流 / イオンマッハ数 / 比熱比 / ブラックホール / マッハプローブ |
Research Abstract |
ブラックホールは相対論的宇宙論の進展とともに存在が予言され、その探索がおこなわれているが、様々な特異現象が予言される一方でその実態は明らかとなっていない。ホーキング輻射と呼ばれる現象は、ブラックホールに付随する「事象の地平線」における時空の引き延ばし効果に起因する電磁波の放射現象であり、最も興味深い現象の一つであるが未だ実証もされていない。 本研究は、磁気ラバールノズルを用いてプラズマ流を亜音速から超音速に加速し、その際に出現する"sonic point"近傍にて波動を励起し、そのパワースペクトルを観測することによってホーキング輻射予言を実証する事を目的としている。この研究では、亜音速から超音速に至る高速プラズマ流を用いることによって、プラズマ中に発生させた波動が"sonic point"近傍を通過する際にどのようなスペクトル分布を取るかを実験的に明らかにする。 本年度は、東北大学のHITOP装置の片端に設置されたMPDアークジェットを用いて、高電離度、準定常かつ超音速領域の磁化プラズマ流を生成した。またこの下流部に発散型磁気ノズルにバンプ磁場を重畳させることによってイオンマッハ数が1となる"sonic point"を出現させ、イオンマッハ数が1以下の亜音速流から1以上の超音速流への移行状態を実現した。 この"sonic point"の同定にはプラズマ流のイオンマッハ数の評価が重要となる。イオン温度が無視できない条件下ではイオンマッハ数を同定するためにイオンの比熱比を知る必要がある。この比熱比の測定をおこなうため、マッハプローブ法を用い、約1.2との結果を得た。この値は流れに沿ったマッハ数の変化と等エントロピー流による理論式との比較した結果とも良い一致を示した。
|
Research Products
(6 results)