2005 Fiscal Year Annual Research Report
メソイオン化合物を用いる開口フラーレンおよびヘリカルフラーレンポリマーの合成
Project/Area Number |
16655016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河村 保彦 徳島大学, 工学部, 教授 (30183289)
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Keywords | フラーレン / メソイオン化合物 / 1,3-双極付加環化 / エクストルージョン / 長鎖アルキル基 / 長鎖アルコキシ基 / 開口フラーレン / フラーレンポリマー |
Research Abstract |
p-ヘキシルオキシフェニルおよびp-ノニルオキシフェニル基を有するメソイオン型1,3-チアゾリウム4-オレートとバックミンスターフラーレン(C_<60>)の付加環化反応について検討した。いずれも1対1のモル比の[3+2]環状付加体が優先的に生成した。これらの付加体の有機溶媒に対する溶解性は、通常の有機溶媒に対して10倍以上と、著しく改善された。熱反応では、レトロ付加環化反応を認めた。また、光照射(>280nm)では、黒色生成物の独占的生成を認めた。 この付加体をメチルシクロヘキサン中光照射したところ、マクロ量の光反応生成物を得ることに成功した。種々のスペクトルデータおよび透過型電子顕微鏡測定によって、含イオウ複素環をバックボーンとしたオリゴメリックな構造の物質生成を示唆する結果が得られた。この推定構造に基づいて分子力場計算を実施したところ、C_<60>がヘリカルな配列をしたオリゴメリック構造が最適化された。 他方、新たな試みとしてフラーレン骨格への複素原子導入を狙いとして、ポリカーボンの付加反応に取り組んだ。[C_3]カーボンとしてプロパジエンを取り上げ、テトラシアノエチレン(TCNE)と反応させたところ、室温、塩化メチレン中で新奇な物質(イミダゾキノリジン誘導体)の生成を認めた。本反応は、鮮やかな色の変化を伴って進行した。この物質は、現在フラーレン誘導体C_<58>N_2の部分構造として推定されているのみであり、興味深い。さらに[C_4]カーボンとしてブタトリエンを取り上げ、同様にTCNEと反応させたところ、室温、塩化メチレン中で新奇な物質(ジヒドロナフタレン誘導体)の生成を認めた。併せて、フラーレン骨格の外周から分子構造の広がりを企図して、炭素-炭素二重結合形成(McMurryカップリング反応)の反応機構的側面について検討した。
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Research Products
(2 results)