2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元偏光制御顕微鏡による3次元分子配向の3次元観測
Project/Area Number |
16656024
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 守 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70237949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 武史 大阪大学, 大学院・基礎工学研究所, 助手 (70314408)
福島 修一郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究所, 助手 (40362644)
|
Keywords | レーザー走査顕微鏡 / 空間位相変調器 / 3次元配向観測 / 顕微分光 / 非線形光学効果 / 第二高調波発生 |
Research Abstract |
従来の光学顕微鏡技術では,高い空間分解能を持ちながら3次元的な分子の配向を観測することは不可能であった.これは,通常の直線偏光ビームを集光しても焦点での電場の向きは光軸に対して直行しているために,光軸方向に向いた分子を観測することはできないためである.一方,ラジアル偏光と呼ばれる放射状の偏光を高い開口数を持つ対物レンズで集光すると焦点で光軸方向の電場が形成されるために光軸方向に向いた分子も観測することができることが知られている.したがって,レーザー走査顕微鏡においてレーザービーム断面内の偏光分布を自由に制御し,直線偏光やラジアル偏光を高速に変化させることができれば焦点の電場の方向を3次元的に変化させることができる.また,この偏光分布制御と非線形光学効果を組み合わせることで,6次元観測(3次元空間+3次元配向)することが可能となる. フェムト秒超短パルスレーザー光を,平行配向した液晶からなる液晶空間位相変調素子(SLのM)を2回通すことにより,任意の空間的偏光分布を形成し,この光を励起光に用いた第二高調波発生顕微鏡を構築した.SLMに印加するパターンを変え,直交した一様な偏光直線偏光ビームと,ラジアル偏光を試料に入射し,その第二高調波発生を観測することで,試料の分子配向を観測することが可能かどうか検証した.試料には,コラーゲンを主成分とし,コラーゲン線維が一方向に並んだヒトアキレス腱を用いた.コラーゲンは線維方向と入射電場の方向が一致した場合に強い第二高調波を発生することが知られているが,光軸方向にコラーゲン線維が向いた試料を開発した装置で観測したところ,ラジアル偏光励起で強い信号が得られ,提案手法の原理確認を行うことができた.
|
Research Products
(2 results)