2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656282
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 昇 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80343010)
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292050)
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Keywords | バイオマス / 生ごみ / バイオガス / エネルギー / 二酸化炭素排出量 / 住民の協力 / 生ごみを除いた家庭ごみ組成 / 処理・リサイクル残渣 |
Research Abstract |
本研究の目的は、循環(3Rと適正処理)という目標に合致した新たな物流管理システムを提案することであり、その一つとして、バイオマス資源を最大限に活用するバイオマス資源の循環管理システムの提案を行うことである。今年度は、特に家庭ごみ中の生ごみに注目して研究を行った。得られた成果を以下に示す。 (1)生ごみを分別排出しているA市を対象に、住宅地区(約100軒)と商業地区(約140軒)で排出されるごみの組成調査を行い、生ごみ分別排出の実施前後の排出ごみ性状の把握を行った。その結果、生ごみ分別排出実施前においては、可燃ごみ中に40〜50%、不燃ごみ中に2〜12%の生ごみが含まれていたが、生ごみ分別排出実施後には、分別された生ごみ中の異物は4〜5%と少なく、可燃ごみ、及び不燃物中に含まれている生ごみ(分別されなかった生ごみ)は、それぞれ7〜10%、1%程度であった。生ごみ分別排出を実施しても、すべての生ごみが分別されるわけではなく、おおよそ10%程度は可燃ごみ中に混入することが明らかとなった。 (2)また、生ごみ分別収集を推進するためには、住民の協力を得ることが必要不可欠である。生ごみリサイクル方式(収集方法、手数料、収集回数など)に対する住民の選好を把握することができれば、より生ごみリサイクル方式を採用することが可能である。そこで、多属性のサービスに対する住民選好の重み付け評価及び経済評価を行うことができるコンジョイント分析手法を用いた。特性の異なる3つの自治体に対してアンケート調査(約2500人に送付、回収率32.5%)を行い、生ごみリサイクル方式に対する住民の選好を明らかにした。その結果、住居形態の違いでは、一戸建てよりも集合住宅の方が、収集回収の増加を望んでいることや、農業の盛んな地域の方が、都市域よりも堆肥化を好んでいる傾向を把握することができた。 (3)生ごみを分別排出している自治体の実際の処理施設(焼却、溶融、バイオガス化施設、炭化、堆肥化施設)へのヒアリング調査(北海道内の44自治体+4組合)を行い、各処理方法の評価を、処理残渣、エネルギー消費量及び二酸化炭素排出量の点から行った。バイオガス化の残渣量は10%〜20%であり、炭化の数%、及び堆肥化の数%〜12%よりも大きな傾向を示した。これは発酵汚泥によるもので、さらなる減量化は可能であると推察された。また、単位重量当たりエネルギー消費量は、バイオガス化による発電で施設内使用電力の約5割がまかなえることから、他の処理方法に比べてバイオガス化が有利であることが分かった。 以上より、バイオマス資源としての生ごみの有効利用を中心とした循環管理システムを構築するための基礎的な知見を得ることができた。
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Research Products
(3 results)