2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネゲノムに内在するウイルス様配列の耐病性付与機能の検証
Project/Area Number |
16658001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
貴島 祐治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60192556)
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Keywords | イネ / イネツングロバシリフォームウイルス / RTBV / 内在性RTBV様断片 / メチレーション / イネツングロ病 / ウイルス耐病性 |
Research Abstract |
イネツングロ病を引き起こすウイルス、イネツングロバシリフォルムウイルス(RTBV)に似た構造を持つウイルス様配列をイネゲノム内に見出した。このウイルス様配列の存否と病気に対する抵抗性との間には明らかな相関がある。アジアを起源とする栽培イネでは50〜コピーが散在し、アフリカや南アメリカを原産とする種では殆ど該当するウイルス様断片を検出できない。ツングロ病に対してはゲノム内のウイルス様配列のコピー数が多いアジア由来イネでは相対的に強く、コピー数の少ないアフリカや南アメリカ原産種では弱い。 ウイルスに対する抵抗性との関係がコピー数にあるとすれば、それは対応する配列のメチル化に一つの原因があると考えられる。メチル化は反復配列に対してそのコピー数と正の相関があるとされる。本年度イネ系統間のウイルス様配列におけるメチル化の違いを調査した。ウイルス様配列のコピー数が多いほどメチル化が強く発生している傾向が示された。さらにフィリピンの国際イネ研究所(IRRI)のChoi博士より分譲されたRTVBに感染したイネからウイルスDNAを抽出し調査したところ、抵抗性品種は、ウイルスの細胞内増殖程度が低いことが判明し、これらの違いと対応するウイルス様ゲノム配列との関係を現在調査している。申請者は、ゲノムのウイルス様断片が、感染したウイルスDNAにメチル化する認識機構を有していると考え、これに基づいて感染したウイルスにメチル化を付与する可能性を検証している。現在抽出したウイルスDNAに対してメチル化が起こっていることを確認中である。さらにこのメチル化を引き起こすメカニズムにsiRNAが関与するか否かに着目して実験を進行中である。
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Research Products
(7 results)