2004 Fiscal Year Annual Research Report
微生物カルモジュリン:放線菌における増殖、形態分化の制御
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16658035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀之内 末治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80143410)
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Keywords | 放線菌 / カルモジュリン / 形態分化 / 胞子の出芽 / Streptomyces coelicolor A3(2) |
Research Abstract |
グラム陽性細菌である放線菌は、枝分かれした菌糸状に生育して最終的には珠玉状胞子を着生する。その生活環は真核生物のカビに類似している。放線菌はその形態のみでなく、遺伝子の制御機構にも真核生物型を色濃く残している。放線菌中に見出したCabAと名付けたEF-ハンドモチーフを有するタンパク質は、カルシウム結合能は有するもののその遺伝子破壊株の形質から、カルシウムバッファーまたはトランスポーターとして機能すると考えられた。さらに、CabBと名付けたタンパク質は、真核生物に共通に存在するカルモジュリンと非常に高い相同生を示すCabBにつき、以下のことを明らかにした。 (1)CabBは広く放線菌に分布する。 (2)S.coelicolor A3(2)およびS.ambofaciensにおいてCabBの転写解析を行い、培養初期から後期に至るまでコンスタントに転写されることが判明した。また、高分解S1ヌクレアーゼマッピングにより転写開始部位を決定し、プロモーター構造を明らかにした。 (3)S.coelicolor A3(2)のCabBタンパク質を大腸菌で発現させ、放射ラベルのCaを用いることにより、CabBのCa結合能を証明した。CabBは2個のEF-ハンドモチーフを有することから、1分子当たり2個のCaイオンを結合すると推定された。 (4)CabBはカルシウムとの結合により、α-ヘリックス含量が大幅に増加することをCDスペクトルにより明らかした。このような構造変化は真核生物のカルモジュリンに汎く見られる。
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Research Products
(1 results)