2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス増殖を制御する細胞性因子の新しいランダム同定法の確立-新規インフルエンザウイルス組み換え体を用いたアプローチ-
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16658137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 泰介 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00222282)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ベクター / リバースジェネティクス |
Research Abstract |
ウイルスの増殖は、様々な細胞性因子により制御されている。本研究では、インフルエンザウイルスをモデルに、これらの細胞性因子を網羅的に同定する方法の確立を目的とする。具体的には、まずインフルエンザウイルスの感染に感受性である細胞を選択し、その細胞由来のcDNAライブラリーをウイルスにパッケージングされる形に改変した後、ウイルス粒子にランダムに取り込ませる。その組み換えウイルスを、ウイルス感染に非感受性である細胞に接種した場合、細胞のcDNA由来の蛋白質が、もしウイルス感染に必要な因子である場合には、ウイルスはこの細胞で増殖が見られるはずであり、つまりは、この方法により、こういった因子を網羅的に同定することが可能になる。本年度は、まず、感受性細胞からのcDNAの調整、およびトランスファーベクターの調整を行った。cDNAにウイルスのNA遺伝子の非翻訳領域の配列を結合させ、リバースジェネティクス用のpPolIプラスミドを作製した。さらに、いくつかの細胞を検索したところ、インフルエンザウイルスの感染に抵抗性である細胞株が見つからなかったため、CHO細胞に変異原性薬剤を投与することによりウイルス抵抗性細胞株の作出を試みた。これまでにいくつかの細胞株の作製に成功したが、解析の結果、そのほとんどはレセプターレベルでの欠損変異細胞株であることが判明した。さらに、ウイルス抵抗性変異株の作製を実施する必要がある。
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Research Products
(6 results)