2004 Fiscal Year Annual Research Report
努力呼出を必要とせずに気流閉塞を検出する呼吸機能検査の開発
Project/Area Number |
16659212
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川本 仁 広島大学, 保健管理センター, 講師 (10294555)
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Keywords | COPD / cardiogenic oscillation / 呼吸機能検査 / 非努力 / 気流閉塞 / 心源性脈波 / PWV / 弾性 |
Research Abstract |
本年度は,「努力呼出を必要とせずに気流閉塞を検出する呼吸機能検査機器」の作成をした。弾性管を伝播する心源性脈波は、管の弾性が低下した場合,伝播速度が遅くなり、気道閉塞(choking)をきたした場合は消失するという原理を応用した呼吸機能検査機器である。現在、動脈硬化の判定に広く臨床にもちいられている脈波伝播速度(PWV)を気道に用いたものである。気道を伝播する心原性脈波の速度、肺気量による心源性脈波の消失を呼吸機能のパラメーターにしたことにより、心原性脈波により発生する微細な気流(以下、cardiogenic oscillation)を明確にとらえる機器でなくてはならず、機器の完成までに時間を要した。このcardiogenic oscillationを捉えるためには、移動平均、スムージングをある程度解除した。ライシュ型気流計が優れていたゴフライシュ型気流計と圧センサーの2種類の測定系を機器に組み込み、平成17年3月14日に完成納入となった。 フライシュ型ニューモタコメーターによる測定系でのcardiogenic oscillationは2相性のピークを有しており、心音のI音とII音に対応して形成されていると考えられ、cardiogenic oscillationのoriginは、心音による音圧が想定された。Cardiogenic oscllationと心電図のr波との遅れがとらえることができ、低肺気量域でのcardiogenic oscilationの平坦化が確認できた。ただし、cardiogenic oscillationの立ち上がりはやや不明瞭であり、心電図のr波との時差をどの部分でとるか、また、cardiogenic oscillationの平坦化をどの時点で消失ととるのかという問題が生じている。心電図のr波との時差は、cardiogenic oscillationを2次微分した波形のピークとの時差が妥当ではないかと考えている。今後は、健常者を対象にデータの再現性を検討した後、COPD患者と健常者を対象にデータの比較検討をしていく予定である。
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