2005 Fiscal Year Annual Research Report
努力呼出を必要とせずに気流閉塞を検出する呼吸機能検査の開発
Project/Area Number |
16659212
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川本 仁 広島大学, 保健管理センター, 助教授 (10294555)
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Keywords | cardiogenic oscillation / 非侵襲 / 呼吸機能検査 / COPD |
Research Abstract |
本研究は、循環器領域での動脈硬化の指標である脈波伝播速度検査の呼吸器領域への応用として、気道の硬さを非努力で測定する検査機器(非侵襲性呼吸機能検査機器)の開発を目的とした。具体的には、安静呼吸において心原性気流(cardiogenic oscillation)を検出し、心電図R波との遅延時間を測定する検査機器の作成であった。 安静呼吸気流からcardiogenic oscillationを安定して検出することに難渋したが、層流フィルターを除去し、スムージングを解除した高感度気流計により得られた安静呼吸気流をパソコン上に取り込み、7.5〜50Hzのバンドパスフィルターをかけることによりcardiogenic oscillationを安定して検出できた。得られたcardiogenic oscillation波形はピーク形成部位があり、心電図R波とピーク部位との遅延時間を指標とした。尚、気流の急激な変化をcardiogenic oscillationとして検出する場合があり、この現象を除去するアルゴリズムの作成が今後必要である。 Cardiogenic oscillationが心原性であるかどうかの検証については、声帯閉鎖無呼吸時、cardiogenic oscillationは検出されず、声帯開放無呼吸時に検出されること、及び、心電図R波とほぼ一定の間隔で遅れてピーク部位が出現することにより、得られたcardiogenic oscillationは心原性であると考えられた。 指標(遅延時間)の再現性に関しては、運動後の心拍出量増大時にはcardiogenic oscillationのamplitudeは既存の報告同様に増大したが、指標(遅延時間)には変化はなく、心拍出量の影響をうけない指標と考えられた。同一健康被験者における繰り返し測定、及び日をかえた測定において安定した遅延時間が得られ、再現性のある指標と考えられた。 尚、機器の作成に時間が費やされた為に、COPD患者での検討が未施行である。現在、健常者において測定を開始したところであるが、現在のところ約50ms〜100msの遅延時間を有していた。身長、年齢、性別による基準値を設定予定である。
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Research Products
(2 results)