2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659325
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 紀夫 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (10010050)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 明典 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90334234)
|
Keywords | 放射線誘発細胞死 / シグナル伝達 / p41タンパク / SAPK / JNK / c-myc / p53 / MOLT-4細胞 / DNA-PK |
Research Abstract |
放射線治療では、正常組織障害が投与できる線量の限界を決める。腫瘍・組織としての放射線感受性は細胞固有の感受性のみならず、生理的因子(PO2、血流、増殖と分化、細胞死に関与する各種因子)、宿主との関係などを総合的に考慮する必要がある。あまりにも多くの未知因子、未解決の問題があり、放射線感受性の基本である細胞固有の感受性に関与する未知因子を分子レベルで同定、解明する事が先決と考え、これまで、"MOLT4細胞はなぜ放射線高感受性か"培養細胞の実験系で解明を行い、p53経路とは別にSAPK/JNKの経路が重要な働きをしていることを示してきた。腫瘍細胞ではp53が変異したり欠落していることが多い。p53特異的経路を利用して、野生型の正常組織を特異的に保護しながら、一方、正常なp53機能なしに働くSAPK/JNK経路を活性化することで腫瘍細胞を殺傷するという選択的な方法を開発できる可能性が示されたのでその条件決めの基礎研究を行う。MOLT4の放射線誘発アポトーシス様細胞死にはJNKの活性化に続きc-Mycの減少を伴うことを見出した。線量・時間依存的に転写因子cmycのmRNA、タンパク量が減少し、c-myc antisense oligonucleotidesやsiRNA導入、c-Myc阻害peptides処理で、細胞死が誘導された。3)これらの現象が培養腫瘍細胞のみならずin vivo (scidマウス腫瘍系)でも起こることを検証確認した。さらにDNA-PK欠損、p53欠損マウスと各野性系をもちいて放射線治療効果におけるこれらシグナル系の役割解明のため分割照射修復能と各臓器死の解析を行った。 以上の結果から、JNK経路を修飾して変異型又p53nullの腫瘍細胞を選択的に増感しながら野性型p53特異的に正常組織を防護できる可能性が示された。
|
Research Products
(4 results)