2004 Fiscal Year Annual Research Report
網膜変性症の修飾因子としての視細胞特異的カルシウム結合タンパクの役割
Project/Area Number |
16659471
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中澤 満 弘前大学, 医学部, 教授 (80180272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 浩 弘前大学, 医学部, 助教授 (30203748)
間宮 和久 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60344610)
山崎 仁志 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00374835)
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Keywords | 網膜色素変性 / GCAP2 / 網膜光傷害 / 修飾因子 |
Research Abstract |
網膜変性には遺伝性網膜変性疾患や様々な眼内疾患に続発して発生するものなど多彩な臨床病態がある。これまで我々は主として遺伝性網膜変性疾患とくに網膜色素変性についてその遺伝子レベルでの原因検索と視細胞変性機構の解明および新しい薬物治療の可能性について研究を進めてきた。それらの研究の結果、網膜色素変性の原因遺伝子とその臨床像には高い異質性がみられることが明らかにされてきた。しかし原因遺伝子と表現型の異質性にもかかわらずこの疾患群で共通する変性機構は視細胞のアポトーシスであり、アポトーシスを起こす視細胞や網膜色素上皮の最初の引き金が各種の遺伝子変異であることが分かってきている。さらに同一の遺伝子の同一の変異であるにもかかわらず臨床像に違いがみられることがあり、その現象を説明するひとつの要因としてわれわれは分子レベルでの修飾因子の存在を想定して研究を進めている。2004年度にわれわれは視細胞特異的カルシウム結合タンパクであるグアニレートシクラーゼ活性タンパク2(GCAP2)の遺伝子変異を持つ常染色体優性網膜色素変性家系を3家系報告した(Sato M, Nakazawa M, et al.)。その結果、この遺伝子変異をもつ患者の臨床像が非常に多彩であったため、その現象を説明するひとつの可能性としてGCAP2変異が視細胞変性の進行を修飾する因子として働き、患者個人個人でその重要度が異なるのではないかとの仮説を立てた。本研究においては実験的に動物でGCAP2異常状態を作成し、網膜光傷害におよぼすGCAP2異常の影響として解析することとした。そしてGCAP2異常状態としてトランスジェニック動物とRNA干渉法の2通りを考案した。初年度はトランスジェニック動物作成の前段階としての遺伝子変異DNAの作成とin vivo(網膜硝子体)でのRNA干渉の効果について基礎実験を行っている。具体的にはsiRNAを動物の硝子体中に注入し網膜への効果を観察している段階である。
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Research Products
(7 results)