2006 Fiscal Year Annual Research Report
「重症患者の全人的回復スケール」考案と看護ケアに関する研究
Project/Area Number |
16659606
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20151615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雄西 智恵美 徳島大学, 医学部, 教授 (00134354)
佐藤 正美 東海大学, 健康科学部, 助教授 (60279833)
矢富 有見子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助手 (40361711)
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助手 (90401356)
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Keywords | 重症外傷患者 / 全人的回復 / 回復過程 |
Research Abstract |
首都圏の高度救命救急センターに搬送された外傷指数10点以上の患者14名(男性11名、女性3名)、平均年齢41・1歳、受傷機転は交通事故11名、労働中の墜落3名を対象に、分析を行った。 なお、研究への参加は、主治医、看護責任者の判断の下に、研究の概略を説明した後の本人の了承と、健康が回復し筆記が可能になった時点での承諾書への署名で確認した。またデータ収集にあたっては、身体状況・治療・ケアを最優先に行った。分析は内容分析(Krippendorf 1980)で行い、Moore(1959)の身体的回復指標(第1相〜III相)との比較対照も行った。 結果は、557の記録単位、36の文脈単位に分けられ、60のサブカテゴリから最終的に18のカテゴリに集約された。研究者間のカテゴリ分類の一致率は90.2%であった。第I相では「出来事や自分の身体の状況が分かり先を読む」「援助者の身体を委ねる」などが、第II相では「自分のペースで過ごす」「手を借りて生活行動を為す」などが、第III相では、「体に生じた損害や障害を確かめる」「「厳しい現状をよい方に理解する」などが得られた。また患者毎のコントロール感の推移や回復過程を通して顕在化してくるコントロール内容を比較検討したところ、コントロール志向のタイプとして「折り合い模索型」「療養自己主導型」「早期社会生活再開型」の3つの型が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)