2005 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔手術支援のための電磁誘導型触覚伝達システムの開発
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16680023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
出町 和之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00292764)
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Keywords | 脳磁図計測 / 電流ダイポール / 分散遺伝子アルゴリズム / 磁場発生源逆推定 |
Research Abstract |
脳神経の電気的活動によって生じる磁場(10n〜1fT)を計測するMEG(:Magnetoencephalography)は、完全に非侵襲かつ、受動的に神経電流を測定することができ、時間分解能も高い(数ms)。計測された磁場データを用いて脳内の電気生理的活動を解析するためには、計測磁場から脳内の電流源を推定する必要がある。この問題は、結果(計測磁場)から原因(流源)を推定する問題であり、生体磁気逆問題と呼ばれている。生体磁気逆問題において、一般的に、電流源は等価な電流双極子によってモデル化される。単純な磁場分布を対象とする問題に関しては、単一双極子モデルを用いた電流源推定法が既に提案され、臨床的にも応用されている。しかし、より複雑な問題に関しては、単一双極子モデルだけでは不十分である。実際に手や指の感覚野では脳の極狭い領域に複数の電流源が現れることが知られている。複数双極子モデルを用いた電流源の推定法が、近年、積極的に開発されているが、現在はまだ数多くの手法が提案されている段階であり特定の方法が本格的に実用化されているわけではない。ハードウェアとして優れた装置で測定した磁場データを有効活用して応用範囲を拡大するためには、ソフトウェアの発達も不可欠とされている。 本研究では高次脳機能における神経活動の解明のため、空間分解能の良い、拡がりを持った電流分布を推定できる手法を開発することを目的とし、今年度は次の2点を実施した。 ・電流源が離れて存在する場合、大域的探索に優れた確率的探索法である遺伝的アルゴリズムに基づく数値シミュレーションコードを開発し、電流源推定精度向上を行った。 ・極狭い領域に拡がりを持つ電流源が存在する場合、遺伝的アルゴリズムに加え、非破壊検査用逆推定解析コードに使用していたシフティングアパチャー法を適用し、電流源推定を行った。
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