2004 Fiscal Year Annual Research Report
^7Be太陽ニュートリノ検出の為の極低濃度放射性不純物除去システムの開発研究
Project/Area Number |
16684003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古賀 真之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90343029)
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Keywords | カムランド / 原子炉ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 有機鉛除去法 |
Research Abstract |
カムランド実験装置において^7Be太陽ニュートリノの検出とそのスペクトル測定を実現するためには、電子ニュートリノの検出が単一信号の観測となるため、液体シンチレーター中に含まれる極微量の放射性物質(クリプトン、アルゴン、鉛)を除去することによりノイズ信号を低減させる必要がある。本研究の目的は、現在の閾値よりも低いエネルギーを持つ^7Be太陽ニュートリノの検出とそのスペクトル測定を実現するために、極低濃度の放射性不純物を更に一万分の一以下まで除去可能な、液体シンチレーター中に含まれる放射性金属(^<210>Pbおよび^<40>K)の除去装置と放射性気体(^<85>Kr、^<35>Ar、^<222>Rn)の除去装置の開発である。 本年度は、放射性気体(^<85>Kr、^<35>Ar、^<222>Rn)の除去に関して、実機の1/3サイズ相当の試作機を用いて測定を行った。その結果、^<85>Kr、^<35>Arに関しては200mmφのミューリアクターと高純度窒素を用いて1/100に低減できることがわかり、これは実機に必要とされる性能を満たしていることがわかった。しかし、^<222>Rnに関しては現在のところ十分とは言えず、引き続き改良を進めていかなければならない。 一方、放射性金属(^<210>Pbおよび^<40>K)の除去に関しては、吸着法と蒸留法の双方について研究を進めた。吸着に関しては、シリカゲルが液体シンチレーター中の有機鉛の除去に大変有効であり、97%まで鉛を除去できることが確認できたが、シリカゲルにはKが多く含まれるため、K除去のために液々抽出法とどのように組み合わせていくかが次の課題である。蒸留法については3.0×10^<-6>の効率で鉛を除去することに成功し、現在最も安定して且つ高効率の蒸留を行うために、温度や圧力等のパラメータを研究しているところである。
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Research Products
(2 results)