2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子ビーム法とスピンエコーを用いた高精度原子EDM測定装置の開発
Project/Area Number |
16684013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷山 智仁 独立行政法人理化学研究所, 旭応用原子核物理研究室, 基礎科学特別研究員 (30373351)
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Keywords | EDM / ^<220>Fr / ^6Li / 半導体レーザー / 外部共振器 / 励起 / 冷却 / ゼーマン法 |
Research Abstract |
^<220>Fr原子EDMの測定の際にComagnetometer原子線として用いる^6Li原子を励起・冷却するために用いるレーザーとして、修正リトロー型外部共振器付の半導体レーザーを作成および種々の改良を行った。その結果としてLi原子の励起波長である671nmの波長において、現在17mWの出力を得ており、電流微調整無しに5.6GHz以上のmode-hop free tuning rangeを実現している。将来本研究では^6Li原子と^<220>Fr原子に対して合計6種類程度のレーザーを用いることとなるが、今年度の開発経験により既製品に対して圧倒的な安価で装置の準備が可能となった。 Li熱原子線源を開発・改良し、発生するLi熱原子線に対して上記のレーザーを照射し、蛍光の観測による手法で、^6Li原子の冷却に用いるD2遷移線を含む複数の励起を確認している。 また、ゼーマン法による^6Li原子ビームの低速化のための電磁石を設計・製作を行なった。ゼーマン法による減速は、ドップラー効果による励起波長の変化を、磁場によるゼーマン効果によって打ち消すことにより、単色のレーザー光の輻射圧により原子を低速化するものであるため、空間的に変化する縦磁場が必要となる。これに必要な関数近似磁場を生成するprofile coilの他にbias coil, extraction coilsという複数の空芯ソレノイドを用い、熱原子線として入射する^6Li原子ビームの1300m/s未満の速度成分を100m/s程度まで減速できるように設計した。
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