2005 Fiscal Year Annual Research Report
火山ガス放出量の時間変動に関する研究:観測装置の開発と短周期変動要因の解明
Project/Area Number |
16684014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 俊哉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40272463)
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Keywords | 火山 / 火山ガス / 噴火 / 遠隔測定 / ガス放出量 |
Research Abstract |
本研究課題では、火山からのガス放出量の短周期時間変動を測定するため、火山噴煙中の二酸化硫黄カラム量の2次元分布を測定できるような装置を新たに開発し、実用化することが第一段階の目的となる。平成16年度には、このような測定を実現するためには、火山噴煙の紫外スペクトルを同時に多数測定することが必要であり、イメージング分光計、冷却CCDカメラとUVイメージレンズを組み合わせた装置を設計し、開発を行った。 平成17年度は、この装置の室内での性能評価や、今までの紫外分光計を用いた火山噴煙の野外観測で培った経験を生かし、CCDカメラに紫外バンドパスフィルタを取り付けての観測を実施することで、より効率よく二酸化硫黄カラム量の2次元分布を可視化する方法を開発した。これらの測定により、今まで難しかった、秒スケールでの二酸化硫黄放出量の測定が現実的になってきた。 平成17年度秋の阿蘇や桜島での観測では、快晴の日であれば、火山噴煙中の二酸化硫黄カラム量の挙動を可視化することが十分可能であることが示すことに成功し、二酸化硫黄放出量が数十秒で数倍に増大するような変動を観測した。 平成17年度末の観測では、新しい測定方法に対する、気象状況や噴煙状況の影響の検討を行った。また、新しい測定方法で観測された二酸化硫黄放出量と、従来の小型紫外分光計を用いた二酸化硫黄放出量の観測を同時に実施し、新測定方法の妥当性の検証を行っている。今後は、測定方法のさらなる改良を行い、火山ガス放出量の短周期変動の要因を調べる。
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