2004 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス応答型スイッチング機能を持つ分子導線の開発
Project/Area Number |
16685005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西長 亨 京都大学, 化学研究所, 助手 (30281108)
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Keywords | π共役オリゴマー / 一電子酸化 / ラジカルカチオンπダイマー / 有機半導体 / FET |
Research Abstract |
1.両末端をビシクロ[2.2.2]オクテンでキャップしたターチオフェン1を合成し、NO^+SbF_6^-による一電子酸化反応によりラジカルカチオンに変換し、そのCH_2Cl_2溶液にヘキサンを拡散させることにより室温空気中でも安定な1^<-+>SbF_6^-塩の単結晶を得ることに成功した。CH_2Cl_2溶液中でのESR測定の結果、1^<-+>に帰属される13本に分裂したシグナルが観測された。一方、UV-vis-NIR吸収スペクトルは室温から温度を下げていってもスペクトルに変化はみられず、溶液中でのπダイマーの存在は確認されなかった。しかしながら、-173℃におけるX線結晶構造解析の結果、結晶中では湾曲して1の中央部分でのみ相互作用したπダイマーを形成することが示された。 2.チオフェン(S)とフラン(O)の交互オリゴマーの新規合成経路を開拓し、このオリゴマーが対応するオリゴチオフェンに比べ、高いドナー性および溶解性を持つという特徴を示すことを明らかにした。FET測定の結果、R-SOSOS-R(R=hexy1)では、対応するオリゴチオフェン誘導体に匹敵する移動度を示したが、より長いSOSOSO6量体やSOSOSOS7量体では、ドナー性が向上するにも関わらず熱安定性の低下による昇華精製の困難さや、全てがトランス体で共平面をとっても分子がバナナ状に湾曲するため結晶性が低下するなどの理由により移動度はむしろ低下した。
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Research Products
(9 results)