2004 Fiscal Year Annual Research Report
(γ板・逆位相領域・転位)複合ナノ組織制御によるTi-Al金属間化合物の高機能化
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16686042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 雄一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10322174)
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Keywords | 機能性材料 / 方向制御結晶 / 金属間化合物 / 転位 / 繰り返し変形 / 規則・不規則変態 / 逆位相領域境界 / 複合ナノ組織 |
Research Abstract |
方向制御Ti-Al結晶中の逆位相領域(APD)とγ板とを同時に制御し、高強度を得るとともに、刃状転位とらせん転位のそれぞれの運動を制御したγ板・逆位相領域・転位複合ナノ組織中の転位挙動を利用した機能性材料の開発指針を得るという目標に向け、下記の実験を行った。まず、γプレートとAPDの複合組織の発達過程とそれに伴う力学特性の変化を調べるため、方向制御α_2+γ複相結晶の作製と熱処理による、γ板とAPDの同時制御を行った。 アーク溶解によりTi-38-42at.%Al組成の合金を溶製し、浮遊帯域溶融法により方向制御結晶を作製した。α単相温度域の1473Kで10^4s均一化処理を施した後水焼き入れし単相化した。α_2+γ二相温度域である、873K、973K、1073Kに、10^3s〜5x10^6sの焼鈍を施し、形成されるγ板と逆位相領域の透過電子顕微鏡による観察と、組織発達にともなう硬さの変化を調べた。γ板ならびに逆位相領域の形成過程は、組成ならびに焼鈍温度に大きく依存した。例えば、Ti-39at%Al結晶を973Kにて焼鈍した場合、10^3sから10^4sまでAPDは殆ど成長せず、5x10^4sからようやく成長し始め、APDサイズは、10^5sで100nm、5x10^5sで200nmに達したが、1073Kで焼鈍した場合には、10^3sでも成長が始まり、APDサイズは5x10^3sで100nmを超え、10^5sでは約400nmに達した。γ板は、973Kでは5x10^5sで、1073Kでは5x10^4sで初めて観察ざれ、その間隔は各々100nm、500nmであったが、1073Kでは10^5sにて140nmとなった。Ti-40at%Al結晶においては、APDサイズの変化はTi-39at%Al結晶中と殆ど同じであったが、γ板は急速かつ高密度に形成され、973Kで5x10^4sで、1073Kでは10^4sで既に約100nm間隔に導入されていた。973Kで5x10^5s焼鈍後ではγ板間隔が約10nmにまで微細化された。硬さについては、γ板が形成されるまではAPDの成長とともに低下するが、γ板形成されると再び上昇した。
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Research Products
(4 results)