2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16686048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸谷 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301937)
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Keywords | 液滴 / 飛散 / 捕集 / 微小重力 / 真空 / 液滴ラジエータ / ウェーバー数 / オネソルジ数 |
Research Abstract |
本年度は、宇宙空間(微小重力・真空環境)における耐蝕性、親油性(テフロン加工)を持たせた回収面での液滴流の捕集と飛散の閾値を調べることを目的としている。 液滴ラジエータの作動流体として考えられているシリコンオイル(信越シリコーンKF96-50cStを使用)と親油性(濡れ性がよい)を持つ回収面について調査を行った。その結果、当初、回収面にテフロン加工を施すことを考えていたが、メーカー(信越化学工業株式会社)と打ち合わせたところ、金属面で十分に親油性を持つことが分かった。そこで本研究では、回収面としてアルミを用いることにした。 想定される最大周波数である20kHzで回収面に衝突する液滴流を撮影できる高速度カメラを選定・購入し、既存の液滴流生成器、真空チャンバー、データ収集システムとともに航空機(ダイヤモンドエアサービス株式会社MU-300)実験用の微小重力実験装置を作成し、地上対照実験を行った。その結果、装置は正常に機能し、液滴流生成器内の温度・圧力、真空チャンバー内の真空度、液滴流の速度、回収面での液滴衝突映像(捕集・飛散)が取得できることを確認した。 地上対照実験結果と文献調査から、通常重力下における親油性を持たせた回収面での液滴の捕集と飛散を分ける閾値は、当初We(ウェーバー)数で整理されると考えていたが、We数とOh(オネソルジ)数の-0.4乗の積と無次元波数で整理されることが明らかになった。 航空機を用いた微小重力実験は、3月20日〜3月25日にかけて30回実施し、微小重力環境でのデータを取得する予定である。パラメータは、地上対照実験より得られた閾値付近を中心に調べ、通常重力下と微小重力下での捕集と飛散を分ける閾値の違いを調べることにしている。
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