2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル系プラズマにおいてMHD不安定性が高速イオン輸送に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
16686051
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00300731)
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Keywords | ヘリカルプラズマ / EPM / TAE / MHD / 高速イオン |
Research Abstract |
将来の核融合炉におけるα粒子等の高速イオンによるMHD不安定性の励起とそれに伴うα粒子の異常損失の危惧から、近年、高速粒子モード(EPM)やTAEモードといったMHD不安定性と高速イオンとの相互作用、並びにその結果生ずる高速イオン輸送・損失に関する研究が重要視されるようになってきている。本研究においては、CHS装置にてシンチレータを利用した高速イオンプローブ、高速中性粒子分析器、並びに多チャンネルHα光計測システム等を駆使した上記研究を対象とした実験を進めた。今年度の研究から、中性粒子ビーム(NB)加熱プラズマにおいて発生するバースト的EPMモード(m/n=3/2)により、入射エネルギー(E_b)近傍のエネルギーを持つ高速イオンのみが大半径方向外側へ排出されていることが分かった。磁場揺動レベルが最大に達した頃に高速イオンの排出が始まり、磁場揺動の周波数は、排出が始まると同時にダウンシフトを示す。高速イオン排出が収まるのとほぼ同時に磁場揺動も収まり、これらの観測結果は、このモードはEb近傍の高速ビームイオンにより謂わば共鳴的に励起されていることを示唆している。また、TAEモード(m/n=3+2/1)については、2機のNBを低密度プラズマに接線co-入射した場合に、顕著な高速イオンの排出が確認された。TAEモードの磁場揺動レベルの絶対値は、現状EPMのそれよりも低い状況にあり、またその発生位置はEPMに比して内側にあるにも関わらず、高速イオンの排出レベルはEPM発生時のそれと同等である。加えて、高速イオン排出が観測される揺動レベルの閾値がEPMのそれよりも低い位置にあり、TAEモードはEPMに比して高速イオン輸送により大きな影響を与えていることを示している。この成果について、9th IAEA Technical Meeting on Energetic Particles in Magnetic Confinement System(平成17年11月9日〜11日、岐阜県高山市)にて招待講演を行った。その後、論文に纏めてNuclear Fusionに投稿した。
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