2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体の特性を利用した環境調和型有機合成化学研究
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16689001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
有澤 光弘 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (40312962)
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Keywords | ルテニウム / パラジウム / 固体担持型有機金属触媒 / 多硫化アンモニウム / 環化異性化反応 / 置換インドール / 置換インドリデン / Augustreine |
Research Abstract |
1,基板担持型有機金属錯体の開発 基板(半導体・金属・絶縁体)担時型有機金属錯体の開発を目指し、半導体上に結合する硫黄の化学について精査し、本半導体と有機金属錯体を結合する硫黄原子を効率良く簡便に固定する方法を見出した。すなわち、MBE(分子線エピタキシー装置)を用いなくても多硫化アンモニウムを用いれば本半導体と有機金属錯体を結ぶ結合原子(硫黄)を簡便に定着できる事を見いだした。また、得られた半導体担持型有機金属錯体の物理的及び化学的機能評価も行った。現在、ヘック反応に10回付しても90%以上の収率を維持できる触媒の開発まで成功した。 2,新規ルテニウムカルベン錯体を用いる有機合成反応の開発 ●様々なルテニウムカルベン錯体と様々なシリルエノールエーテルとの反応について精査し、新規ルテニウム錯体の物理化学的性質を探求するとともに、ルテニウムカルベン錯体とビニルオキシトリメチルシランを用いる触媒的環化異性化反応の開発に成功した。更に、本反応を医薬化学的に重要な複素環の合成に適応し、置換インドール、置換インドリデン、置換ベンゾフラン等の新規合成法を見いだすと共に、本反応の一般性について検討を加えた。 ●我々が見いだしたルテニウムカルベン錯体を用いる置換1,2-ジヒドロキノリン合成法と光延反応を利用し抗マラリア活性キノリンアルカロイドAngustreineの不斉全合成を達成し、天然物の絶対構造を決定した。
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