2005 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光脳機能計測装置による運動意思の認識手法に関する研究
Project/Area Number |
16700194
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
満田 隆 立命館大学, 情報理工学部, 助教授 (30335591)
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Keywords | NIRS / BCI / BMI / 運動野 / 脳機能計測 |
Research Abstract |
近赤外光脳機能計測装置(NIRS)によって運動想像時の脳活動変化を検出し機器を制御するBrain-Computer Interface (BCI)の開発を目的として,掌握運動想像時の脳活動計測データ特性を分析し,BCIとしての利用可能性を検討し,以下の知見を得た. 1.複数チャンネルで計測したデータの加算によって時間遅れを生じさせることなくノイズが軽減できる. 2.NIRSの計測アルゴリズムによりOxy-HbやDeoxy-Hbに比べて,その和であるTotal-Hbのほうがノイズが少ない. 3.脳活動と計測状態の変動によりNIRS計測値は常に不安定であるため,安静状態を基準として脳活動値を推定するよりも,積極的に異なる脳活動を生じさせて,その差を観察するほうがBCIとしては安定した判別が行える. 4.右手掌握想像時には左運動野,左手想像時に左右運動野が活性化される. 5.左手と右手の掌握運動想像により生じるNIRS計測値変化より,約80%の成功率で左右の判別が可能であった. 6.ただし,運動野周辺活動をまったく計測できない被験者も存在した.運動イメージだけでなく,実際の運動による脳活動変化も計測されないことから,脳形状や頭皮の状態が原因でNIRS計測が行えない被験者が存在すると思われる.一方,前頭野周辺は個人差も少なくクリアな計測値が得られた. 7.NIRSホルダ装着が被験者に与える負担が大きく,NIRS計測値にも負担が反映されるため,BCIとしての実用化にはNIRSホルダの装着感改善が重要な課題である. 8.前頭前野活動は情動によって大きく変動する.情動を意識的に生じさせることで,BCIとしての利用が行える可能性がある.
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Research Products
(3 results)