Research Abstract |
近年,核家族化や少子化などの影響により,子供を育てる環境が変化し,育児に関する問題が多く見受けられるようになってきている.この問題に対応するために,親は育児に関する多くの情報を,収集し利用している. 本研究では,まず,親の育児に関する情報の利用についてインタビューを行い,医療情報の利用方法,主に利用している情報を明らかにした.さらに,親の利用している情報源としてインターネットに注目し,インターネットでできる医療情報の提供について考察を行った.アンケートの結果,インターネットを利用して育児医療情報を得ている人は少ないものの,インタビューにより,インターネット上より育児・医療情報を得ることに期待をしていることがわかった. また,それらをもとに,実際に都道府県庁ホームページから提供される育児関連情報について検討した.利用者の情報行動より,まだ多くのホームページは利用しにくく,情報も少ないことがわかった.しかし,一部のホームページでは,利用しやすく,情報が豊富になってきている.また,都道府県の管理するホームページでは,情報の信頼性が得やすいが,提供される情報は吟味が必要である事が示唆された. さらに,育児をしている親が関心のある情報として病院の評価に関する情報に注目した.幼稚園,保育園就業前の子供を持つ親を対象にインタビューを行い,通わせる病院決定までのプロセス,その病院評価の基準,情報入手方法等を明らかにした.その結果,多くの親は,友人を介した口コミや評判を利用し,地域性,医療従事者の態度を基準に病院決定をしていることがわかった.また,この結果に基づき,今後の育児支援について考える.
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