2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700349
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
尾畑 やよい 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (70312907)
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Keywords | 卵子形成 / DNAメチル化 / 核移植 / 胚発生 |
Research Abstract |
これまでの申請者らの知見で、インプリント遺伝子のDNAメチル化は卵母細胞のサイズに依存して確立していくこと、この卵子特異的なDNAのメチル化が受精後の正常な個体発生に必須であることが示されてきている。そのため、ゲノミックインプリンティングの確立に不可欠なDNAメチル基転移酵素遺伝子、Dnmt3aやDnmt3Lをゲノミックインプリンティングの確立していない未成長な卵母細胞で強制発現させることができれば、単為発生動物の生産も含め、非常に有効な生殖細胞利用技術になるものと考えられた。そこで本研究では、GFPをレポーター遺伝子として構築された発現ベクターを用い、エレクトロポーレーション法による新生仔非成長期卵母細胞への遺伝子導入を試みた。エレクトロポーレーションによる非成長期卵母細胞の発現ベクター導入効率および導入後の細胞生存率は、電気刺激の条件、緩衝液の種類および細胞濃度の3要因によって影響を受けた。エレクトロポーレーション時の細胞濃度は、5.0〜10.0×10^5個/100μlが最も良く、1.0×10^4個/100μlより低濃度で行った場合には、エレクトロポーレーション後の細胞生存率が有意に減少した。また、22種類の電気刺激プログラムを試験したところ、最も良い条件では、導入効率2.6%および生存率20.9%となった。しかし、同方法を用いて、NIH3T3などのマウス体細胞株に遺伝子導入を試みたところ、遺伝子導入効率、生存率共に80%以上と生殖細胞への遺伝子導入効率に比べて格段に高かった。一方、いずれのエレグトロポーレーションの条件で外来遺伝子を導入した場合にも、エレクトロポーレーション後12時間以内にはGFPの検出が可能であった。また、卵母細胞に導入されたGFPは、1週間以上強発現し続け、体細胞やES細胞などの分裂細胞で見られる発現低下とは非常に対照的な結果となった。
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