2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工神経回路網の手法を応用したパラメトリック脳機能解析手法の研究
Project/Area Number |
16700440
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
芥川 正武 徳島大学, 工学部, 講師 (90294727)
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Keywords | 脳波 / 脳機能解析 / 時系列信号解析 / ニューラルネットワーク / システムパラメータ |
Research Abstract |
脳の状態変化の新しい定量化法の開発を目的として,人工神経回路網(ニューラルネットワーク)を用いた時系列信号解析法について研究を行った.脳の状態測定には従来から広く用いられている脳波を使用した.本年度は脳波計測・解析システムの構築・改善,脳波測定実験の実施と測定データの解析,解析手法の検討を行った. 脳波測定は本研究で構築した多チャンネル脳波測定システムを用いた.脳波測定においては心電図,眼球運動により発生する電位は雑音となり解析結果に悪影響を及ぼす.そこで独立成分分析を用いた方法および移動平均型のニューラルネットワークを用いて雑音を除去することを試みた. 本研究で検討を行った解析方法は,脳波の測定データを数10秒の短時間に区切り,各解析区間毎に移動平均型のニューラルネットワークで学習することによって脳波を発生するシステムをモデル化し,各区間のシステムの比較をニューラルネットワークの結合荷重ベクトルにより比較,定量化するものである.結合荷重ベクトルの比較はベクトルの内積,ノルム等を用いて指標化した.まずこの方法の妥当性を調べるためにARモデルや非線形微分差分方程式を用いたモデルでパラメータの変化を検出できるかどうかについて検討した結果,なるべく小さな構造のニューラルネットワークを用いれば有効であることが分かった.そこで脳波の解析にはニューラルネットワークの構造をモンテカルロ法を用いて計測例毎に最適なものを決定して指標化を行い,一般的に用いられている周波数解析と比較して同等な結果を得られる事を確認した.
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Research Products
(3 results)