2005 Fiscal Year Annual Research Report
テニスにおける調整力トレーニングのあり方に関する研究
Project/Area Number |
16700467
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小屋 菜穂子 青山学院大学, 文学部, 非常勤講師 (20348452)
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Keywords | テニス / 調整力 / 技術トレーニング / 発育発達 / 球技 |
Research Abstract |
テニスにおける調整力トレーニングのあり方を論じていくために、昨年度から国内外の選手が見につけている動き(技術)を発育発達段階に沿って、実際の試合をもとに分析してきた。この試合撮影、分析は、今年度も引き続き行い、来年度も継続して行う予定である。そして、これに伴うソフト作成についても、検討しながら進めている段階である。上記のことに加え、今年度は新たに、調整力の要因とテニスの技術・技能とのつながりについて調査を行った。具体的には、調整力の一要因であるパワーの調整(grading)に注目し、テニス技術との関連を調べた。 テニス競技では、すべてのショットをフルパワーで打つことが必ずしも勝ちにつながるわけではなく、状況に応じたショットをそれに適したパワーで打つことが重要になる。つまり、ショットを放つ際に出力するパワーの強弱も技術のひとつと考えられる。パワーに関しては、最大値について論じた研究が多く、出力を弱める、もしくは調整するという研究は少ない。そこで今年度の研究では、テニス選手に必要なパワーの調整能力に関する基礎的知見を得るために、パワーの最大値とその70%、50%の値を測定し、測定値と最大値から算出した目標値とを比較した。一般的なパワーを測定する手段として握力を、技術的な要素を含んだパワーを測定する手段としてメディシンボール投げを測定した。 調査の結果、男子選手は競技レベルが高いほど、また最大握力値が高いほど、パワー調整能力に優れている可能性が示唆された。しかし女子選手では、上記の結果は認められなかった。この研究結果は、第56回日本体育学会において発表し、現在、投稿論文としてまとめている段階である。 来年度からは、調整力本来の目的である、自分の身体のコントロールに着目し、さらなるテニス技術の分析と調整力の関連要因を結びつける方向で研究を進めていく。
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