2004 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツチーム/スポーツイベントへの地域住民による対応をめぐる社会学的研究
Project/Area Number |
16700472
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 政晴 信州大学, 教育学部, 講師 (90350181)
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Keywords | プロスポーツチーム / スポーツイベント / メディアスポーツ / 地域生活 / 生活の論理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1991年から鹿島アントラーズのホームタウンとなり、2002年のW杯開催の受け皿となった茨城県鹿嶋市を事例として、これらプロスポーツチームやスポーツイベントに対して地域住民たちは、どのような「働きかけ」をおこなったのかを明らかにすることである。さらには、その働きかけを駆動させた背後には、どのような「生活の論理」が内在しているのかについても明らかにするため、サポーター活動に奔走し、その後市議会議員をつとめている地元出身のT氏と、彼をとりまく湖岸南部地区の地域住民たちを対象とした。 プロスポーツチームやスポーツイベントに対するT氏とその地域社会の対応の諸相から、次のことが明らかになった。第一に、「メディアスポーツは、人々のライフスタイルの創造と継承において、人々の統合と分裂において、また、政治的支配と解放をめぐる闘争において、さらには市場の形成と変容において、重要な意味と機能を有している」というメディアスポーツ研究者の認識を修正し、メディアスポーツのもつ象徴的な力は、国民や受け手、視聴者、ファン、サポーターなどといった匿名性の集団に対してのみ、その力は発揮されるということ。第二に、差別研究やジェンダー研究などが教えてくれているように、T氏というメディアの当事者自身がメディアが期待する役割に苦悩を抱え込んでしまうという現実をも、研究者は問題化していかなければならないということ。そして最後に、メディアスポーツの象徴力は匿名性の集団に対してのみその力を発揮し、かつその象徴力が課す役割に対してT氏が苦悩を抱え込んでしまったのは、メディアスポーツの担い手に求められる人物像/地域像と、地域生活の担い手に求められるものとは、齟齬をきたしつつ癒合しているということである。
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Research Products
(1 results)