2004 Fiscal Year Annual Research Report
アスリートの転機に関する研究-自己物語的アプローチから-
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16700476
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Research Institution | Biwako Seikei Sport College |
Principal Investigator |
豊田 則成 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 講師 (00367913)
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Keywords | アスリート / 転機 / 自己物語 / 質的研究 / インタビュー / ナラティブ・アプローチ / 語り / セカンドキャリア |
Research Abstract |
本研究は、元アスリートは、1)どのような出来事を転機として挙げるのか(転機のカテゴリー化)、2)いくつの転機を有するのか(転機の多少は何に起因するのか)、3)ひとつの転機をどのように捉えているのか(出来事をポジティブに捉える要因、ネガティブに捉える要因とは)、4)転機を転機として認める個人内基準とは何か、といったリサーチ・クエスチョンの下、3年間継続して実施される。初年度は、研究課題として、インタビュー調査の実施と「自己物語」の作成・検討を設定し、以下の下位課題の解決を試みた。 1)インタビュー・マニュアルの作成 自我心理学や発達心理学などの領域で盛んに行われているナラティブ・アプローチに関連する文献を収集し、半構造化インタビューを実施するうえでの有効なマニュアルを作成した。これにより、一貫したインタビュー項目を採用できる一方で、柔軟かつ深化した対話を実現することができた。 2)集中的なインタビュー調査の実施 上述のインタビュー・マニュアルに基づき、集中的なインタビュー調査を実施した。そこでは、元オリンピアンや元Jリーガーなどの元トップアスリートをインフォーマント(情報提供者)として位置づけ、各個人に対して複数回のインタビューを実施した。特に、モントリオール・オリンピック日本代表に対して、次年度も継続的に調査する予定である。 3)自己物語の集積と質的分析 上述のインタビュー調査の中では、インフォーマントの承諾を得た上で会話の内容をICレコーダーに収録した。次に、この逐語をワープロ打ちし、インタビュー資料を作成した。そして、その資料を参考に各インフォーマントの自己物語を作成した。一方、インタビューの様子をビデオ・テープに収録し、質的分析に役立てようと試みた。
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