2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 巌 京都大学, 経済研究所, 助手 (70362407)
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Keywords | 統合化 / ISO / 費用 / ISO17799 / 便益 |
Research Abstract |
1:ISO取得による影響に対する評価モデル作成のための情報収集 規格取得企業に対する調査として、公開されている環境報告書や有価証券に関する情報を元に情報収集を行った。またISOの監査を行う側に視点を移し監査対象における統合化とその工数に対するヒアリングを実施した。現在構藻中であるモデルは、主にISO取得前に必要な工数等(システム構築のために必要な工数)と、取得後に必要になる管理や監査の工数を、費用として、また取得による副次的な収益(例:業務改善による省エネ、リサイクルによる収益など)と、取引機会の向上、リスク軽減(例:環境汚染等に対するもの)を便益とした費用/便益分析のモデルとしている。今後の課題として、統合化に対する影響評価を行うため、特にその統合化に関係した管理・監査に対する教育、人的工数・作業統合化による効果、監査、管理部門の統廃合など、統合化による影響を組み込んでいくよう検討中である。 2:規格統合化による影響についての情報収集 英国で検討・実験されているSIGMAが日本に与える影響は現段階では小さいが、規格統合化の動きは実務レベルでは動き始めている。特に、ISMSやBS7799等の取得サイトは、2004年に施行された個人情報保護法などの影響を受け、拡大の一途をたどっている。これらに対し、まずは監査の側面から工数をはじめとする統合化のメリットを検討した。結果、ISO14000、9000それにISMSの規定については、主に文書管理、教育、対顧客(コミュニケーション含む)、監査、それに予防措置に関する部分、いうなれば管理のための基本ルールの部分が最初に統合化される可能性が高いと考えられるが、現実の工数や管理手法については、各規格の目的が異なることから、上記項目のうち教育や監査など、管理システムの基盤部での統合にとどまる可能性が高いと考えられる。
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