2004 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル排ガスのアトピー性皮膚炎憎悪作用に関する研究
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16710023
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (20322381)
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Keywords | ディーゼル排ガス曝露 / アトピー性皮膚炎 / NC / Ngaマウス / IgE抗体 / ダニ抗原 / ピクリルクロライド |
Research Abstract |
アレルギー疾患の罹患率は、幹線道路周辺地域に高いことが疫学調査によって明らかになっている。本研究は、ディーゼル排ガス(以下DE)がアトピー性皮膚炎(AD)に増悪作用をもたらすと考え、ディーゼル排気微粒子(DEP)抽出物量塗布実験およびDEの曝露実験を行うことを目的とする。 H16年度は、(1)ダニ抗原誘発性ADモデルの改良、(2)ダニ抗原誘発性、およびピクリルクロライド誘発性ADモデルマウスに対するDE曝露を行った。まず、これまで短期間(2週間)のAD誘発モデルであったダニ抗原誘発性ADモデル系を3ヶ月間の投与モデルへ改良を試みた。NC/Ngaマウスに、ダニ抗原100μg、Alumを4mg、腹腔投与し初期感作した。その後、2週間隔で4回、ダニ抗原5μgをマウス外耳に皮下注射した。その結果、既存モデルとほぼ同程度のAD様症状の誘発が見られた。次にこのモデル系を用いてDE曝露実験を行った。DEの濃度は、0.3mg/m^3、3.0mg/m^3の2濃度し、3ヶ月間曝露した。また同様の曝露方法で、ピクリルクロライドによるAD誘発実験も行った。NC/Ngaに、曝露期間中、2週間間隔で0.8%ピクリルクロライドをマウス外耳に塗布しADを誘発した。これらの実験の結果、ピクリルクロライドによるAD誘発実験系では、0.3mg/m^3 DEを曝露した群においてピクリルクロライドのみを塗布した群よりもややAD様皮膚症状の増悪が見られた。耳介厚の差は認められなかった。ダニ抗原誘発性AD実験系では、0.3、3.0mg/m^3のDEを曝露したAD誘発群と、ダニ抗原単独投与群とでは皮膚症状の差は見られなかった。また耳介厚、ダニ抗原特異的IgG1抗体価にも差は認められなかった。現在、両実験群の血清中総IgE値、病理観察、組織中サイトカイン測定を解析中である。
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