2004 Fiscal Year Annual Research Report
大阪平野における巨大地震の広帯域強震動予測の高精度化に関する研究
Project/Area Number |
16710132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川辺 秀憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00346066)
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Keywords | 3次元地下構造モデル / 差分法 / 統計的グリーン関数法 / エンベローブ / 大阪平野 / 強振動予測 / 東南海地震 / 南海地震 |
Research Abstract |
本研究では大阪平野における広帯域強震動予測の高精度化を目指し,(1)3次元地下構造モデルの観測地震記録を用いた改良による理論的手法(有限差分法)による長周期地震動予測の高精度化。(2)統計的グリーン関数法に地震動の位相特性の時間変化を取り入れ地震動の初動から堆積盆地内で観測されるコーダ波(後ゆれ)までの短周期地震動予測の高精度化,(3)1,2の成果を用いてマグニチュード8クラスと予想される海溝型巨大地震である東南海地震・南海地震時の大阪平野内の強震動予測を行う。 平成16年度は,大阪平野における既存の地下構造探査および地下構造モデルに関する情報の収集及び地下構造モデル初期モデルの構築,統計的グリーン関数合成法の提案を行った。 構築した大阪平野の堆積盆地地下構造モデル初期モデルにより,3次元差分法により地震動シミュレーションを行いモデルの検証を行った。その結果,大阪平野直下及び近傍において発生した地震動については,シミュレーションによる観測波形の位相や継続時間の再現性は比較的良好であった。しかしながら,観測点によっては観測記録の再現性が悪い地点もあり,その観測点周辺の地下構造のモデル化が十分でないと考えられる。こういった地域の地下構造モデルの改良は,次年度以降の課題として取り組む予定である。 統計的グリーン関数合成法について,周波数に依存したエンベロープを統計的グリーン関数の合成に取り入れる手法の提案を行い,大阪平野内の5点の観測点について,観測記録のシミュレーションを行い手法の検証を行った。検証の結果,提案した手法により大阪平野内の観測記録の特性を比較的よく再現できた。次年度以降は今年度検証を行った以外の観測点の観測記録についてもシミュレーションを行い本手法の検証を行っていく予定である。
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