2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710180
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
黄 盛彬 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50308095)
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Keywords | 日本イメージ / 朝鮮 / 東アジア / 相互認識 / ナショナリズム / ナショナル・アイデンティティ / 韓国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、北朝鮮の新聞、放送、映画などのメディアにおいて、「日本」がどのように表現され、認識され構築され続けているのかを詳細に分析することによって、そのような「日本認識」が、北朝鮮の自画像=ナショナル・アイデンティティとは、どのように結ばれているのかを探ることにある。具体的な研究課題としては、第一、北朝鮮の主要なメディアにおける「日本関連表現」を可能な限り収集し、その量的な推移およびそこに表われている認識の変遷を探る、第二、その「日本認識」を鏡とする「自画像=ナショナル・アイデンティティ」の推移、変遷について考察することにある。 本年度においては、第一、初年度に続き、文献を中心として先行研究のレビューを展開した。主に欧米圏における研究の動向を中心に集め、分析する作業に着手した。第二、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の『労働新聞』の2005年一年間の記事の中から、日本関連記事を抜粋し、内容分析の作業に取り組んだ。関連作業として、2005年8月から12月までのNHKとフジテレビのニュース(『NHKニュース10』、『ニュースJapan』)を録画し、内容分析の作業を行った。戦後60年関連の特集企画を中心に分析を展開しているが、「靖国問題」「反日」をめぐる報道内容を個別の事例研究としてまとめていく予定であり、北朝鮮における報道とも比較する論考を成果として来年度中に発表したい。また、昨年度に続き、日本国内、韓国、米国の研究者や関係者への聞き取り調査を実施し、その成果を来年度中に公表する。 なお、今年度においては、調査の実施、資料の収集及び整理作業に集中せざるを得なかったので、最終的な研究成果については、本研究助成の最終年度である来年度中に発表していく予定である。
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