2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720028
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
砺波 恵昭 京都市立芸術大学, 美術学部, 講師 (70260057)
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Keywords | 日本美術史 / 彫刻史 / 鎌倉時代 / 釈迦如来像 / 清凉寺式 |
Research Abstract |
本年度は、鎌倉時代において清涼寺式釈迦如来像が坐像として制作される場合の研究を進めるに当たり、基礎的な作業となる作業・研究を行った。 まず、清凉寺式釈迦如来像が、鎌倉時代において模刻される例について、文献資料調査をもとに基礎資料収集を行った。また、関連する作例について、実地調査を行った。あわせて、本研究費交付以前に実地調査済みの作例について、写真資料の整理及び文献資料の精査を行った。写真資料は、コンピュータ上でデータベース化する準備作業を行った。 その結果、清凉寺式釈迦如来像の図像が坐像形式に完全に変換されて模刻される例は鎌倉時代において極めて希であるが、頭髪・服制など部分的に坐像形式に採用する例は、それよりは多く見られることが判明した。 この研究結果は、 1、鎌倉時代のおいては、清凉寺式釈迦如来像の図像を、頭髪・服制といった部分的であるにせよ採用することに意味があるということ 2、清凉寺式釈迦如来像の図像をそのまま坐像形式に変換して造像を行うことには、さらに深い意図がこめられたものであること の2点を示唆するものであるという結論に達した。
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