2004 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代初期草双紙における芸能関係表現についての基礎的研究
Project/Area Number |
16720050
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
齊藤 千恵 立命館大学, 文学部, 講師 (00368010)
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Keywords | 草双紙 / 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 浮世絵 / 役者絵 / 赤本・黒本・青本・黄表紙 / 近世文学 / 鳥居清経 |
Research Abstract |
(1)国立国会図書館、大東急記念文庫、東北大学附属図書館狩野文庫、都立中央図書館加賀文庫、同東京誌料文庫、無窮会図書館神習文庫などの公私の図書館所蔵の資料閲覧を行い、書誌ならびに内容に関する調査を行った。許可を得られるものについては複写物を作成した。 (2)書誌・内容調査は調査カードに記録をとり、調査カードを基に、順次各作品の書誌・内容データ入力を進めた。並行して作成し得た複写物からも内容の分析を進めている。鳥居清経作品については、作成時期による挿絵の特徴がより一層明確となり、芸能利用についても多くの作品から抽出することができた。また、調査過程において、清経と芸能関係者との直接的な関わりを示す作品も見出すことが出来たため、これについては今後詳細な作品分析を進めることとしたい。 (3)特に芸能と関わりの深い、役者追善草双紙に関しての研究発表を行い(「初期役者追善草双紙小考-二代目市川団十郎追善作を中心に-」、芸能史研究会例会)、忠臣蔵もの黄表紙の内容分析と芸能情報の読み取りに関する学術論文をまとめた。双方ともに、書誌・内容に関する分析を基に、周辺の上演資料類・役者評判記・役者絵などと作中の芸能関係表現との比較検討を進めることで、その位置付けや芸能資料としての存在価値を明らかにした。また、立命館大学アート・リサーチセンター内林コレクション所蔵草双紙の芸能利用状況調査、個人蔵の芸能関係書の内容調査を行い、その研究成果の一端は、展覧会「市川海老蔵と幕末歌舞伎」(2004年12月1日〜12月24日、於立命館大学アート・リサーチセンター展示室)において示すことができた。 (4)以上3項目における調査・分析の成果を踏まえつつ、引き続き初期草双紙の書誌・内容調査を継続し、草双紙作品と芸能との関わりに関する分析・データ整理を進めることを、今後の課題とする。
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Research Products
(1 results)