2005 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代初期草双紙における芸能関係表現についての基礎的研究
Project/Area Number |
16720050
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
齊藤 千恵 立命館大学, 文学部, 講師 (00368010)
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Keywords | 草双紙 / 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 浮世絵 / 役者絵 / 赤本・黒本・青本・黄表紙 / 近世文学 / 鳥居清経 |
Research Abstract |
(1)国立国会図書館、大東急記念文庫、都立中央図書館加賀文庫、同東京誌料文庫、国文学研究資料館、立命館大学アート・リサーチセンター(以下ARC)などの公私の図書館の所蔵資料閲覧を行い、書誌ならびに内容に関する調査を行った。許可を得られるものについては複写物を作成した。 (2)書誌・内容調査は調査カードに記録をとり、調査カードを基に、順次各作品の書誌・内容データ入力を進めた。並行して作成し得た複写物からも内容の分析を進めている。ARC林コレクションに関しては、書誌目録作成作業を行いつつ、芸能関係記事を抽出・データ化した(目録作成の部分に関しては、別の科研の成果物の一部として刊行し<林コレクション目録(稿)>、同時にWEB上で画像データベースとしての公開を行った)。 (3)黄表紙中の芸能表現については、書誌・内容に関する分析を基に、周辺の上演資料類・役者評判記・役者絵などと作中の芸能関係表現との比較検討を進めた。この成果の一部は、平成18年度芸能史研究会大会にて口頭発表を予定している。また劇書と草双紙記事に共通する内容を見出すことができ、これまで存在が指摘されていた忠臣蔵上演に関わる偽文書の実態が一層明らかとなった。これに関しては、次年度公刊する劇書注釈の一部として、成果公開の予定である。 (4)以上3項目における調査・分析の成果を踏まえつつ、引き続き初期草双紙の書誌・内容調査を継続し、草双紙作品と芸能との関わりに関する分析・データ整理を進めることを、今後の課題とする。
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