2005 Fiscal Year Annual Research Report
南太洋・都市部におけるトランスナショナルな場所の構築
Project/Area Number |
16720198
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
倉光 ミナ子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (10361817)
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Keywords | 場所研究 / サモア / テーラリング / グローバリゼーション / トランスナショナル |
Research Abstract |
1.フィールド調査 8月〜9月における約1ヶ月の間、サモアにおいて実施した。調査内容は以下の通りである 1)テーラリングショップの分布の変容について:昨年のデータを基に、アピア都市部におけるテーラリングショップの移り変わりについて調査を行なった。その結果、1店舗は経営者が変わっていたが、それ以外はむしろ店舗数が増加傾向にあることが明らかになった。新しい店舗では、昨年同様に、経営者や縫い子に聞き取り調査を実施した。その結果、フィリピン人女性やフィジー系インド人の縫い子が出現していることがわかった。 2)テーラリングショップにおける顧客の調査:昨年、聞き取り調査を行なった、縫い子を雇用している店舗のうち、ニュージーランドの帰還移民が始めた新しいスタイルの店舗と、混血層の方が経営している店舗の2件を選び、そこにやってくる顧客に関する観察・簡単な聞き取り調査を実施した。 3)テーラリングショップの経営者に関する追加調査:昨年、調査の対象とした経営者に経歴について、データの補足調査を実施した。 4)サモア政府のドレスコードとそれに関わる布地の生産に関する調査:テーラリングショップの盛隆の背景として、2003年3月に開始されたサモア政府のドレスコードの存在が大きいことが昨年の調査により示唆された。したがって、今年はとくにドレスコードに関する新聞記事や関係省庁に対する聞き取り調査を実施した。また、ドレスコードに使用される布地の生産に関しても、生産者や輸入の状況について、様々な店舗において観察・聞き取り調査を実施した。 2.研究成果の発表 8月〜9月に実施した調査に関して、特に上記4)についてデータを整理し、研究成果の報告として、2006年3月に実施される日本オセアニア学会第23回研究大会で「ドレスコード狂騒曲:サモア・2003年〜2005年の変容に着目して」という題目で口頭発表を行なった。
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