2004 Fiscal Year Annual Research Report
観光への口承伝承活用とその影響に関する岡山県岡山市「桃太郎伝説」の事例研究
Project/Area Number |
16720216
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加原 奈穂子 早稲田大学, 国際教養学術院, 助手 (40350409)
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Keywords | 文化人類学 / 民族学 / 地域社会・村落・都市 / 文化・社会意識 |
Research Abstract |
本研究は、昭和30年代以降の岡山県岡山市の観光活動における「桃太郎」伝承の活用とその影響に関する綿密な調査・分析を通して、地域アイデンティティの再形成と民俗文化の選択的活用を、主に観光との関わりから解明することを目的とする。平成16年度研究実績としては、主に次の1)〜4)が挙げられる。 1)現地調査(岡山県岡山市において、主に平成16年7月〔2週間〕、9月〔2週間〕、平成17年2月〔1週間〕に実施):(1)岡山の観光行政・経済・地域活動等における「桃太郎」活用とその歴史に関する、観光関連の主要行政機関・企業・地域団体関係者への聞き取り調査。(2)「桃太郎伝説地」観光の舞台「吉備路」とその伝説関連の名所についての観光客、観光業従事者や地域住民への聞き取り調査。(3)岡山桃太郎伝説の浸透過程とその影響に関する地域住民への聞き取り調査。 2)文献調査:「岡山=桃太郎伝説地」説の浸透に強い影響力を持った図書、新聞、観光案内等の文献調査。 3)調査整理、成果発表:上記の聞き取り調査・文献調査によるデータの基本的な整理は終了済みである。調査結果の一部は、日本民俗学会第56回年会(平成16年10月、「名所の形成と伝説の活用-岡山桃太郎伝説の舞台『吉備路』の事例について」)、岡山デジタル・ミュージアム作成委員会主催フォーラム(平成16年6月、「"桃太郎"による地域アイデンティティの創出」)等において発表を行った。また、岡山における桃太郎伝承の変容に関する論文(「読み替えられる伝承」)を岡山民俗学会学会誌へ投稿済みである。 4)研究成果の地域還元:岡山デジタル・ミュージアム(平成17年8月開館予定)による「桃太郎三大伝説地」の成立や取り組みに関する映像作品(ミュージアム館内で公開予定)への構成協力・出演解説を行った。
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